世界遺産登録の取り組み

世界遺産登録をめざす北海道・北東北の縄文遺跡群

北海道、青森県、岩手県及び秋田県は、世界遺産「白神山地」や「知床」など、美しく豊かな自然が今なお色濃く残る、緑豊かなところです。この豊かな自然の恵みを受け、今から約1万5千年前に、私たちの祖先は、縄文文化という素晴らしい文化を築きました。
日本最大級の縄文集落跡である特別史跡三内丸山遺跡(青森県青森市)や大規模な記念物である特別史跡大湯環状列石(秋田県鹿角市)をはじめ、北海道から北東北に残る数多くの縄文遺跡が、その息吹を今に伝えています。

縄文文化は、日本の歴史と文化の成り立ちを知る上で欠くことのできないものであるだけでなく、自然と人間が共生し、約1万年もの長きにわたって営まれた、高度に発達・成熟した文化であり、世界史上稀有な先史時代の文化であります。

私たちは、これら縄文遺跡群が人類共通の宝として未来へ伝えていかなければならない貴重な文化遺産であるとの考えの下、4道県並びに関係自治体が連携・協力して「北海道・北東北の縄文遺跡群」の世界遺産登録を目指し取組を進めています。

縄文遺跡群は、その価値が認められ、世界遺産候補としてユネスコ世界遺産センターの世界遺産暫定一覧表に記載されました。

記載年月日 2009(平成21)年1月5日
資産名称 「北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群」
※概要はこちらをご覧ください(PDF:74KB)

縄文遺跡群の顕著な普遍的価値

世界遺産に登録されるためには、“顕著な普遍的価値”の証明が必要となります。
縄文遺跡群の顕著な普遍的価値の証明について、「世界遺産条約履行のための作業指針」で示されている登録基準に合致する内容は、次のとおりです。

①北海道・北東北の縄文遺跡群は、狩猟・採集・漁労を生業の基盤に定住を達成し、成熟した縄文文化へと発展を遂げた先史文化の様相を伝承する無二の存在である。

評価基準(ⅲ) 現存するか消滅しているかにかかわらず、ある文化的伝統又は文明の存在を伝承する物証として無二の存在(少なくとも希有な存在)である。

縄文文化は、縄文時代と同時期の世界の他地域とは異なり、本格的な農耕と牧畜を選択することなく、狩猟・採集・漁労を生業の基盤としながら定住を達成しました。先史文化としては世界史上極めて稀有なものです。

北海道・北東北には数多くの縄文遺跡が所在し、円筒土器文化や亀ヶ岡文化など、縄文文化を代表する文化圏が栄えた中心地域であります。中でも、北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群は、世界最古の一つである土器や漆器が出土し、また、精神文化に関わる土偶も豊富で、大規模な環状列石が集中するなど、縄文文化の特徴を強く裏付けており、物質的、精神的に成熟した縄文文化の発展を示しています。

また、縄文遺跡群の、集落を囲む濠や防御施設のない、協調的、開放的な社会の継続的な形成は、社会的に成熟した縄文文化の発展を示しています。

②北海道・北東北の縄文遺跡群は、約1万年間もの長期にわたり気候変動や環境変化に適応し持続可能な定住を実現した、自然と共生した人類と環境との関わり、土地利用の形態を示す顕著な見本である。

評価基準(ⅴ) あるひとつの文化(または複数の文化)を特徴づけるような伝統的居住形態若しくは陸上・海上の土地利用形態を代表する顕著な見本である。又は、人類と環境とのふれあいを代表する顕著な見本である(特に不可逆的な変化によりその存続が危ぶまれているもの)。

縄文文化は、最終氷期から後氷期にかけての急激な温暖化によって生まれた、世界的にも希な生物多様性に恵まれた生態系に適応し、約1万年間もの長期にわたって持続可能な定住を実現しました。

ブナを中心とする落葉広葉樹が広がる自然環境に、クリやクルミ、ウルシなどの有用植物で構成する縄文里山と呼ばれる人為的生態系を成立させ、生業を維持してきました。それは、人間が自然を大きく改変し特定の作物の収量を確保する農耕や牧畜を生業とする定住とは異なり、縄文里山の成立による、持続可能で、自然資源の恵みを巧みに利用した定住を実現させたものでした。

また、集落遺跡は、住居、墓、貯蔵穴、祭祀空間、捨て場、道路などが計画的に配置されており、一定の社会的規制のもとに継続的に利用されたことは明らかです。

このことから、北海道・北東北の縄文遺跡群は、日本列島における先史文化に特徴的な、人類と環境の交渉と、土地利用形態を代表する顕著な見本であると言えます。

構成資産

縄文遺跡群は、北海道6遺跡、青森県8遺跡、岩手県1遺跡、秋田県2遺跡の計17遺跡で構成されています。
詳しくは縄文遺跡群についてをご覧ください。

提案自治体

縄文遺跡群の世界遺産登録は、構成資産及び関連資産を有する18自治体により提案されています。

道県 4自治体 北海道、青森県、岩手県、秋田県
市町 14自治体 【北海道】函館市、千歳市、伊達市、洞爺湖町、森町
【青森県】青森市、弘前市、八戸市、つがる市、外ヶ浜町、七戸町
【岩手県】一戸町
【秋田県】鹿角市、北秋田市

推進体制

4道県知事及び関係自治体の首長が協定書を締結し、以下の推進体制で世界遺産登録に取り組んでいます。

縄文遺跡群世界遺産登録推進本部
【構成】
本部長:青森県知事
副本部長:北海道、岩手県及び秋田県知事、4道県教育長
委員:資産を構成する関係市町の長及び教育委員会教育長ほか
【役割】
4道県共同推進事業を統括

縄文遺跡群世界遺産登録推進会議
【構成】
座長:青森県企画政策部 世界文化遺産登録推進室長
広域委員:北海道、岩手県及び秋田県の主管課長
委員:資産を構成する市町の主管課長
【役割】
本部の監督の下、各事業を円滑に実施
縄文遺跡群世界遺産登録推進
専門家委員会
【構成】
考古学や世界遺産等の専門家
【役割】
専門的な事項を調査・検討し意見を述べる

(事務局は青森県企画政策部 世界文化遺産登録推進室)

推進体制

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これまでの歩み

年月日 主な動き
2006(平成18)年 9月28日 文化庁が暫定一覧表への記載は提案方式にすると表明。
11月28日 「青森県の縄文遺跡群」の提案書を提出。
(青森県、青森市、八戸市、つがる市、七戸町)
11月30日 「ストーンサークル」の提案書を提出。
(秋田県、鹿角市、北秋田市)
2007(平成19)年 1月23日 文化審議会文化財分科会において、青森県及び秋田県の提案が「継続審議」となる。
8月27~28日 北海道・北東北知事サミットにおいて、4道県の共同提案について正式合意。
資産名称を「北海道・北東北の縄文遺跡群」に決定。
12月19日 「北海道・北東北の縄文遺跡群」について、4道県知事が提案書を文化庁長官へ提出。
2008(平成20)年 3月24日 世界文化遺産特別委員会第1WGのヒアリングを受ける。
9月26日 文化審議会文化財分科会において「北海道・北東北の縄文遺跡群」の暫定一覧表への記載決定。
2009(平成21)年 1月5日 ユネスコ世界遺産委員会事務局(ユネスコ世界遺産センター)において「北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群」として世界遺産暫定一覧表に記載。
6月1日 縄文遺跡群世界遺産登録推進本部等の設置。
2012(平成24)年 12月11日 縄文遺跡群世界遺産登録推進本部にて、構成資産を15から18に決定。
【追加となった構成資産】
・史跡 キウス周堤墓群(千歳市)
・史跡 垣ノ島遺跡(函館市)
・史跡 大森勝山遺跡(弘前市)
12月11日 縄文遺跡群ロゴマークを発表。
縄文遺跡群ロゴマーク
2013(平成25)年 3月29日 世界遺産登録推薦書協議案を文化庁へ提出。
資産名称「北海道・北東北の縄文遺跡群」(仮称)
6月24日 世界遺産登録推薦書協議案(修正案)を文化庁へ提出。
7月24日 世界遺産登録推薦書原案を文化庁へ提出。
資産名称「北海道・北東北の縄文遺跡群」(仮称)
8月30日 公式ホームページ「-JOMON JAPAN- 北海道・北東北の縄文遺跡群」を開設。
11月29日 公式ホームページ英語サイトを公開。
2014(平成26)年 3月31日 キッズサイト「JOMONぐるぐる」を開設。
2015(平成27)年 3月27日 世界遺産登録推薦書素案を文化庁へ提出。
資産名称「北海道・北東北の縄文遺跡群」(仮称)
12月26日 縄文遺跡群世界遺産登録推進本部にて、構成資産を18から16に決定。
【含めないこととなった資産】
・史跡 鷲ノ木遺跡(森町)
・史跡 長七谷地貝塚(八戸市)
2016(平成28)年 3月24日 縄文遺跡群世界遺産登録推進会議にて、史跡 入江・高砂貝塚(洞爺湖町)を入江貝塚と高砂貝塚に分け構成資産を17遺跡として整理。
史跡 鷲ノ木遺跡(森町)と史跡 長七谷地貝塚(八戸市)を関連資産として位置付け一体的な保存・活用に取り組むことを整理。
3月31日 世界遺産登録推薦書素案(改訂版)を文化庁へ提出。
資産名称「北海道・北東北の縄文遺跡群」(仮称)
2017(平成29)年 3月31日 世界遺産登録推薦書素案(改訂版)を文化庁へ提出。
資産名称「北海道・北東北の縄文遺跡群」(仮称)

会議等の開催状況

縄文遺跡群世界遺産登録推進本部

第1回推進本部 平成21年10月19日開催
第2回推進本部 平成24年12月11日開催
第3回推進本部 平成26年2月28日開催
第4回推進本部 平成27年12月26日開催

縄文遺跡群世界遺産登録推進会議

平成21年度 第1回推進会議 平成21年9月3日開催
第2回推進会議 平成21年12月4日開催
第3回推進会議 平成22年2月26日開催
平成22年度 第1回推進会議 平成22年7月12日開催
第2回推進会議 平成22年11月1日開催
第3回推進会議 平成23年2月14日開催
平成23年度 第1回推進会議 平成23年5月31日開催
第2回推進会議 平成23年9月6日開催
第3回推進会議 平成24年2月8日開催
平成24年度 第1回推進会議 平成24年5月31日開催
第2回推進会議 平成24年9月21日開催
第3回推進会議 平成24年11月13日開催
第4回推進会議 平成25年3月12日開催
平成25年度 第1回推進会議 平成25年4月24日開催
第2回推進会議 平成25年6月3日開催
第3回推進会議 平成25年10月30日開催
第4回推進会議 平成26年2月20日開催
平成26年度 第1回推進会議 平成26年5月16日開催
第2回推進会議 平成27年2月9日開催
平成27年度 第1回推進会議 平成27年10月26日開催
第2回推進会議 平成27年12月11日開催
第3回推進会議 平成27年12月26日開催
第4回推進会議 平成28年3月24日開催
平成28年度 第1回推進会議 平成28年9月23日開催
第2回推進会議 平成29年3月6日開催

縄文遺跡群世界遺産登録推進専門家委員会

平成21年度 第1回専門家委員会 平成21年9月21日開催
第2回専門家委員会 平成21年12月25日開催
第3回専門家委員会 平成22年3月22日開催
平成22年度 第4回専門家委員会 平成22年8月23日開催
第5回専門家委員会 平成22年11月26日開催
第6回専門家委員会 平成23年3月10日開催
平成23年度 第7回専門家委員会 平成23年6月17日開催
第8回専門家委員会 平成23年10月7日開催
第9回専門家委員会 平成24年2月24日開催
平成24年度 第10回専門家委員会 平成24年7月6日開催
第11回専門家委員会 平成24年10月17日開催
第12回専門家委員会 平成25年3月5日開催
平成25年度 第13回専門家委員会 平成25年5月10日開催
専門家委員会意見交換会 平成26年3月14日開催
平成26年度 第14回専門家委員会 平成27年3月9日開催
平成27年度 第15回専門家委員会 平成27年12月25日開催
平成28年度 第16回専門家委員会 平成28年12月14日開催

その他実施事業

平成21年11月16~18日 縄文文化説明会開催(ロンドン)
・在英の考古学者等を対象に縄文文化について説明
平成22年9月9~11日 欧米の専門家招聘
・資産候補の視察、文化庁・4道県との意見交換等
平成23年1月17~18日 縄文文化説明会開催(パリ)
・在仏の考古学者等を対象に縄文文化について説明
平成23年9月21~24日 国際会議開催(北海道・青森県・岩手県・秋田県)
・構成資産の視察、シンポジウム等
平成23年11月24日~12月4日 海外専門家会合派遣
・世界遺産「アルプス山脈周辺の先史時代の杭上住居群」(スイス)視察
・イコモス総会参加(フランス)
・イカム年次総会参加(フランス)、プレゼンテーション
平成24年1月29日 縄文遺跡群世界遺産登録推進フォーラム開催(東京都)
・世界遺産登録への取組紹介
・講演、パネルディスカッション等
平成24年6月26日~7月2日 世界遺産委員会派遣(ロシア)
平成24年9月9~17日 国際会議開催(北海道・青森県・岩手県・秋田県)
・全構成資産の視察、シンポジウム等
平成24年11月25日~12月4日 海外専門家会合派遣
・イカム年次総会(ペルー)、プレゼンテーション
平成25年1月27日 縄文遺跡群世界遺産登録推進フォーラム開催(東京都)
・各構成資産の紹介
・世界遺産登録への取組紹介
平成25年6月17~20日 世界遺産委員会派遣(カンボジア)
平成25年7月23日~27日 国際会議開催(北海道・青森県・岩手県・秋田県)
・構成資産の視察、シンポジウム等
平成26年1月12日~1月17日 海外専門家会合派遣 インド太平洋先史学協会(IPPA)大会出席(カンボジア)
・プレゼンテーション、ポスター発表等
平成26年1月26日 縄文遺跡群世界遺産登録推進フォーラム開催(東京都)
・講演
・世界遺産登録への取組紹介
平成26年9月8日~13日 国際会議開催(北海道・青森県・岩手県・秋田県)
・構成資産の視察、シンポジウム
平成26年11月7日~14日 海外専門家会合派遣
・イコモス総会参加(イタリア)、テーマセッション、ポスター発表等
平成27年1月24日 縄文遺跡群世界遺産登録推進フォーラム開催(東京都)
・講演
・報告
・世界遺産登録への取組紹介
平成27年6月29日~7月7日 世界遺産委員会派遣(ドイツ)
平成28年1月24日 縄文遺跡群世界遺産登録推進国際フォーラム開催(東京都)
・講演
・パネルディスカッション
・世界遺産登録への取組紹介
平成28年1月25日 国際会議開催(東京都)
平成29年1月29日 縄文遺跡群世界遺産登録推進国際フォーラム開催(東京都)
・講演
・世界遺産登録への取組紹介
平成29年1月30日 国際会議開催(東京都)
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