ねん土で作った土製品(どせいひん)のうち、平らに形づくったものを土版(どばん)といいます。また、同じように石で作った平らな石製品を岩版(がんばん)といいます。これらは縄文(じょうもん)時代後期から晩(ばん)期の遺跡(いせき)から多く出土しています。
土版(どばん)には、子どもの足形をつけて焼き上げた「足形付き土版(どばん)」とよばれているものがあります。足形は1歳(さい)くらいの赤ちゃんのものが多く、子どもが立てるようになったお祝いに作られたのかもしれません。または、なくなった子どもの足形と考える研究者もいます。どちらにしても、子どもを思う親心を表していると考えられます。
小牧野遺跡(こまきの いせき)からは400点をこえる三角形の岩版(がんばん)が見つかりました。これは、環状列石(かんじょうれっせき)で何かの儀式(ぎしき)を行うときに使ったものと考えられます。