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縄文(じょうもん)時代前期

縄文<small>(じょうもん)</small>時代前期

▲ 円筒下層式(えんとうかそうしき)土器
/三内丸山遺跡(さんないまるやまいせき)

紀元前約5,000〜3,000年までを縄文(じょうもん)時代「前期」といいます。
世界的に温暖化(おんだんか)が進み、気温が高い時期でした。また日本列島では、海水面が上がって、陸の中まで海が入りこむ「縄文海進(じょうもんかいしん)」が起こりました。あたたかい海や森には食べものがあふれ、魚や動物をとったり、木の実を食べやすくしたりする道具(石器骨角器(こっかくき)など)が作られるようになりました。大きな貝塚(かいづか)が作られたのも、この時期です。

土器には、地域(ちいき)の差がはっきりと出るようになりました。北東北を中心に、北海道の南部では平らな底で、細長いバケツのような形の土器が作られるようになります。こうした土器は、是川石器時代遺跡(これかわせっきじだい いせき)のひとつ・一王子遺跡(いちおうじ いせき)から大量に見つかり、「円筒(えんとう)土器」と名づけられました。
円筒(えんとう)土器の形は、次の縄文(じょうもん)時代中期まで続きます。
前期の土器のほうが下の地層(ちそう)で見つかるので、「円筒下層式(えんとうかそうしき)土器」とよばれています。