紀元前約3,000年〜2,000年までを、縄文(じょうもん)時代「中期」といいます。
あたたかい気候が続き、くらしは安定していました。狩猟(しゅりょう)や漁労、採集がさかんに行われ、道具や方法も、進化しました。大ぜいの人がまとまってくらす大集落ができたのも、この時期です。
北東北と北海道の南部の土器は、前期に続き、平らな底で、細長いバケツのような形の円筒(えんとう)土器が作られました。前期とちがうのは、土器の入れ口などに、ねん土のヒモをはりつけて作った、立体的なかざりがついていることです。波のような曲線(きょくせん)や、人の顔のようなものもあります。日用品として使うと同時に、豊かさの象徴(しょうちょう)として作られたのかもしれません。
中期の土器のほうが、前期よりも上の地層(ちそう)で見つかるので、「円筒上層式(えんとうじょうそうしき)土器」とよばれています。また、円筒(えんとう)土器に影響(えいきょう)をうけた別の形の土器も作られるようになりました。