本文まで移動

JOMONなんでもQ&A

縄文(じょうもん)

縄文人(じょうもんじん)のくらしについて

Q.言葉や文字はあったの?
A.人々は大勢で住み、とても大きな建物を建てたり、大きな石を動かしたりしています。このように協力して生活し、活動をするために言葉はあったと思います。ただ、どのような言葉を話していたかは分かりません。また、文字は見つかっていません。
Q.寿命(じゅみょう)や平均身長は?
A.15歳(さい)まで無事に育った人は、その後、平均で30歳(さい)ぐらいまで生きました。そのため、子どものうちになくなった人を合わせると、平均寿命(じゅみょう)はもっと下がります。
出土した人骨(じんこつ)から、平均身長は大人の男性で160センチメートルぐらい、女性はそれより10センチメートルぐらい低かったと言われています。
Q.子どもたちはどんな遊びをしていたの?
A.今の小学校高学年くらいの子どもは、狩(か)りや漁、土器づくりなど、大人の仕事を手伝い、練習をしていたと思います。弓矢づくりや、ねん土をこねての土器づくりなど、大人になるための準備として遊びながら身についていったのでしょう。

竪穴(たてあな)住居について

Q.大雨や大雪のときはどうしたの?
A.台風などの強い風や大雪のときは、家がこわれるようなことがあったかもしれませんが、竪穴(たてあな)住居の中の柱はしっかりうめて固定しています。また、最近の調査では、屋根に土をかぶせていたと言われていますので、建物はがんじょうな作りだったと考えられます。
Q.トイレやおフロはあったの?
A.残念ながら、トイレやおフロのあとは見つかっていません。トイレは、ある程度場所を決めていたのだと思います。おフロの代わりには川が使われたのかもしれません。
Q.冬は他の季節と同じ住居で生活できたの?
A.冬も同じ家に住んでいたと考えられています。土をかぶせた屋根だとすると、外からの風は入りにくくなります。出入口からの冷たい空気を入らないようにしたり、毛皮などあたかい服を着たりして過ごしたと考えられます。

食べ物について

Q.冷ぞう庫がないのに、どうやって食べものを保管したの?
A.穴(あな)をほって食べものを貯ぞうしていました。入口はせまく、底はたくさん貯ぞうできるように広くなっています。地下は温度や湿度(しつど)が一定で、木の実などを保管するのにちょうどいい場所でした。
Q.調味料はあったの?
A.縄文(じょうもん)時代には、海水をにつめて塩が作られ、食べものの味つけや保ぞんに利用されていました。

衣服、そうしょく品について

Q.服を作る布はどうやって作ったの?
A.服は毛皮や植物を編んで作っていたと考えられます。植物で作った布は、細い繊維(せんい)を糸にして編んだものです。太さ1ミリメートル以下の糸で編んだ布も見つかっています。1着の服を作るのにも、ずいぶん時間がかかったことでしょう。
Q.ペンダントや耳かざり(アクセサリー)はどうやって作ったの?
A.石をけずったり、ねん土を焼いたりして作りました。縄文人(じょうもんじん)が好んだヒスイという緑色のきれいな石があります。穴(あな)をあけるのに1時間に1ミリメートルも進まないような、とてもかたい石です。新潟(にいがた)県でしかとれない石で、とても貴重(きちょう)なものでした。
ほかに、動物の牙(きば)を使ったペンダントやシカの角(つの)を使ったかみかざり、貝を使ったうでかざりなどを作りました。
おしゃれの目的のほかに、不思議な力を身につけ、おいのりの目的もあったことと思います。

出土品について

Q.縄文(じょうもん)土器には、なぜあんな「もよう」があるの?
A.土器の「もよう」のつけ方には決まりがあり、自由に作ってもいい、というものではなかったようです。北海道の南部から北東北の広い範囲(はんい)で同じような土器が作られます。同じような土器を作ることで、共通した文化であることを意識したのではないでしょうか。
また、土器の縄目(なわめ)は、でこぼこにすることで、表面積を増やし熱がよく伝わるようにしたとか、すべりにくくしたとも考えられています。
Q.縄文(じょうもん)土器の縄(なわ)の「もよう」は何種類くらいあるの?
A.「縄文(じょうもん)」のもようは、縄(なわ)の太さやねじれの方向、ねじる回数でちがったもようができます。木や竹などの棒(ぼう)にまきつけると、いろいろなもようができます。ざっと数えて100種類くらいはできます。縄(なわ)のほかにも、貝や竹、木の棒(ぼう)、めずらしいものでは魚の骨(ほね)が使われたものもあります。
Q.土偶(どぐう)は何のために作り、どんなふうに使ったの?
A.土偶(どぐう)はねん土を焼いて作った人形です。でも、遮光器土偶(しゃこうきどぐう)のように目が大きいものや、こわい表情のものも作られています。また、全体の形を見ても、人間そのものを真似たものはとても少ないのです。
おそらく土偶(どぐう)は、縄文(じょうもん)時代の人々にとって重要な神様のようなもので、人間に似たすがたの神様をイメージしたのではないでしょうか。土偶(どぐう)は神様として、おいのりに使われたものだと思います。

世界遺産(いさん)

Q.世界遺産(いさん)登録のために何が必要なの?
A.世界遺産(いさん)に登録されるためには、当時の様子を知ることができるものがきちんと残っていることが必要です。また、残されているものの価値(かち)が、ユネスコが定める世界遺産(いさん)としての価値(かち)の基準に当てはまることを説明することが必要です。
Q.世界遺産(いさん)に登録されたらどうなるの?
A.北海道・北東北の縄文遺跡(じょうもんいせき)群が、人類共通の大切な「たからもの」として世界中の人が協力し、守っていく必要がある文化遺産(いさん)として、みとめられることとなります。
また、世界的に価値(かち)がみとめられるので、多くの人が一目見ようと遺跡(いせき)をおとずれてくれると思います。世界遺産(いさん)登録は観光を目的にするものではありませんが、縄文(じょうもん)文化や縄文(じょうもん)時代に興味を持つきっかけとなり、縄文遺跡(じょうもんいせき)が持つ価値(かち)についての理解がより深まります。
世界にみとめられた縄文遺跡(じょうもんいせき)群を未来に引きつぎ、守っていくことがとても重要となります。
Q.世界遺産(いさん)に登録されたものが取り消されることもあるの?
A.世界遺産(いさん)は一度登録されるとずっと登録されていますが、たとえば、橋や道路の建設などの開発により景観が損なわれ、世界遺産(いさん)としての価値(かち)がなくなってしまったと判断された場合などは、登録が取り消されることがあります。
ドイツの「ドレスデン・エルベけい谷」は、2004年に世界文化遺産(いさん)に登録されましたが、交通量の増加により「橋」を建設したことで、景観がくずれ、世界遺産(いさん)としての価値(かち)が失われたとして、2009年に登録が取り消されました。