入江・高砂貝塚[いりえ・たかさご かいづか]
[いりえ・たかさご かいづか]
目の前に噴火湾(ふんかわん)が広がる景色のよいところに、入江貝塚(いりえ かいづか)と高砂貝塚(たかさご かいづか)という2つの貝塚(かいづか)があり、それぞれ使われていた時代が、少しちがうことが分かっています。
貝塚(かいづか)とは、食べたあとの貝がらや骨(ほね)がたくさん積もった場所のことです。しかし、ただの「ゴミすて場」ではありませんでした。生きものの命や、こわれた道具への感謝をこめて、あの世へ送る儀式(ぎしき)の場でもあったのです。両方の貝塚(かいづか)からは、人のお墓もたくさん見つかっています。
2つの貝塚(かいづか)には、ほかにはない特ちょうがあります。ふつう貝塚(かいづか)は、貝がらが多いので白っぽい色をしていますが、ここでは魚やイルカなどの骨(ほね)のほうが多く、黒っぽい色をしています。そのため「黒い貝塚(かいづか)」ともよばれています。
ここにくらした人々は、漁が得意でした。動物の骨(ほね)で作った魚のつり針(ばり)や、イルカなどをとる銛(もり)が見つかっていて、舟(ふね)で海へこぎ出していた縄文人(じょうもんじん)の勇ましいすがたが想像できます。
貝塚(かいづか)トンネル
入江貝塚(いりえ かいづか)公園では、貝塚(かいづか)の断面の「はぎ取り」を見ることができるよ。「はぎ取り」とは、実物の貝塚(かいづか)の断面を、接着剤(せっちゃくざい)のような薬でかためて取り出した標本(ひょうほん)のこと。トンネルの中にあって、まるで貝塚(かいづか)の中にもぐっているみたい! 縄文人(じょうもんじん)が食べていた動物の骨(ほね)や、土器・石器などの道具が見えるので、じっくり観察してみよう。
復元された竪穴(たてあな)住居
入江貝塚(いりえ かいづか)公園には、竪穴(たてあな)住居が復元されているよ。発くつ調査にもとづいて、縄文(じょうもん)時代に作られていたときと、近い状態に復元されているんだ。残念ながら屋根のつくり方はわからなかったけど、ここでは「土ぶき」といって、屋根に土をかぶせているよ。ぜひ中に入ってみよう。縄文人(じょうもんじん)の気分になれるかも?!
骨(ほね)でできた道具
入江・高砂貝塚(いりえ・たかさご かいづか)からは、銛(もり)やつり針(ばり)、アクセサリーなど、動物の骨(ほね)で作られたものがたくさん見つかっているんだ。ほかにも、北海道より南でとれる貝や、イノシシの牙(きば)で作ったアクセサリーなどもあって、北海道にはいないはずの生きものを材料にしているよ。海をこえて、遠くはなれたところに住む人とも、交流があったのかもしれないね。これらの道具は、入江・高砂貝塚(いりえ・たかさご かいづか)館で見られるよ。
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