なかでも中居遺跡(なかい いせき)からは、漆(うるし)をぬった赤い木の器や、くし、土器、土偶(どぐう)などがたくさん出土しています。
そのあざやかな色と、美しいもようや形は、芸術作品のようなすばらしさです。今の日本の伝統工芸と同じく、漆(うるし)を使う技術が、縄文(じょうもん)時代からあったことが分かります。
青森県つがる市の亀ケ岡石器時代遺跡(かめがおかせっきじだい いせき)、北海道函館(はこだて)市の垣ノ島遺跡(かきのしま いせき)でも、漆(うるし)ぬりの製品が見つかっています。漆(うるし)をぬると、きれいなだけでなく、耐水性(たいすいせい)がまして物が長持ちすることを縄文人(じょうもんじん)は知っていました。漆(うるし)は、物を大切にする知恵(ちえ)から生まれた美なのです。
▲ 漆(うるし)ぬり土器
▲ 木胎漆器(もくたいしっき)、漆(うるし)ぬりのはち
▲ 低湿地(ていしっち)のすて場
/中居遺跡(なかいいせき)南がわ
中居遺跡(なかい いせき)では、いろいろな道具を、自然へかえすマツリをしていた場所が見つかったよ。しめったところを発くつすると、水が流れていた沢(さわ)のあとがあって、木の道具がたくさん埋(う)まっていることがわかったんだ。ふつうは、木の道具はくさって残らないのに、地下水で冷やされて、現代まで残っていたんだって。「是川縄文館(これかわじょうもんかん)」の展示(てんじ)室の、「縄文の謎(じょうもんのなぞ)コーナー」に行くと、くわしいことがわかるよ。
▲ 漆(うるし)の美コーナー
/是川縄文館(これかわじょうもんかん)
ケヤキの木の皮でつくられた、漆(うるし)ぬりのいれものが見つかっているよ。つつのような形の容器に、ちゃんとふたもついている。黒色の漆(うるし)をぬったあとに、赤色の漆(うるし)を重ねてぬっている、りっぱないれもので、「漆(うるし)ぬり樹皮製(じゅひせい)容器」というんだ。ふたが重なる部分をよーく見ると…なんと、縄文人(じょうもんじん)の指もんが残っている!小さな指に見えるので、子どもか女性の指もんかもしれないんだって。この容器は「是川縄文館(これかわじょうもんかん)」の、「漆(うるし)の美コーナー」で見ることができるので、ぜひ確かめてみてね。
是川縄文館(これかわじょうもんかん)のマスコットキャラクター。八戸(はちのへ)市の風張1遺跡(かざはり1いせき)から出土した国宝(こくほう)の合掌土偶(がっしょうどぐう)がモチーフになっています。「全国どぐキャラ総選挙2013」では第1位に選ばれました!!
▲ とっちー
▲ うるちゃん