見つかった貝は、ヤマトシジミが多く、海の水と川の水が入りまじった湖で漁をしていたようです。ほかに、イルカやクジラの骨(ほね)で作った骨角器(こっかくき)も出土しています。特によく見つかっているのは、貝輪という、ベンケイガイの真ん中に穴(あな)をあけて作ったブレスレットです。しかし、作りかけや、こわれたものがほとんどで、完成品ではありません。ここに貝輪を作る工房(こうぼう)があって、失敗した製品がすてられたのでしょう。
ベンケイガイの貝輪は、北海道の遺跡(いせき)からも出土しています。この貝塚(かいづか)からは、北海道産の黒曜石が出土しているので、海をこえて交易していたのかもしれません。
▲ 田小屋野貝塚(たごやのかいづか)全体のようす
▲ ベンケイガイで作った貝輪
青森県立郷土館蔵
▲ 田小屋野貝塚説明板
▲ つがる市木造亀ヶ岡(かめがおか)考古資料室 /縄文館(じょうもんかん)内
この貝塚(かいづか)は、発くつ調査のあと、土をかけてうめもどして保ぞんしているから、実際に見ることはできないんだ。でも、県道12号にそって説明板があるよ。調査した場所や、おもな遺物(いぶつ)が出土した場所が書いてある。それに、すぐ近くには、亀ケ岡石器時代遺跡(かめがおかせっきじだい いせき)があるよ。「つがる市木造亀ヶ岡(かめがおか)考古資料室」もいっしょに見学するのがおすすめ!